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【解説】 コードの名前 その1 ~ ピアノの場合は、鍵盤の数を数えればいい ~
さきほどはいきなり 「スケール」 の話が出てきて面倒でしたが、コードの話をするときに通常真っ先に登場するこの 「コード・ネーム」 については、スケールなんて面倒なものとはまったく無縁の、かなり機械的な数字の話なのでご安心下さい。ギターのコードに関する本は、弦の押さえ方の図がたくさん載っていてかなりややこしいですが、ピアノの場合にはとても簡単です。それでは順番に見ていきます。
実演。 ※動画を参考にして下さい。
3つの音でできた和音 = トライアド・コード
さきほど 「基本は白鍵」 の動画のところでCメジャーのダイアトニック・コードが登場したので、それを例にしていきます。まず、ド (C) からはじまるこのコード、いわゆる 「ド・ミ・ソ」 ですが、この3つの音を下から順番に見ていくと、こういう関係にあるのがわかります。ド から見て次の音 (ミ) が半音4つ上、その ミ から見て次の音 (ソ) はさらに3つ上。いま、こういう半音の位置関係にあることを 「4 - 3 の コード」 と簡略化して呼ぶことにして、次のダイアトニック・コードは 「レ・ファ・ラ」 ですが、これをさっきと同じように見ていくと、 「3 - 4」 になっているのがわかります。早速結論ですが、こういう 3つの音で構成された和音 (トライアド・コード) には大きくわけて2つしか種類がなくて、その違いは、 「4 - 3」 か 「3 - 4」 かという簡単なことなのです。で、前者のことを メジャー・コード、後者を マイナー・コード と呼び、聞きなれた表現でいえば、長調な感じ、短調な感じ、あるいは明るい感じ、暗い感じでも構いませんが、その差はこのように、トライアド・コードの3つの構成音のうち、真ん中の和音を半音下にずらすか上にずらすかで変わる・・・という、とてもデリケートな話だということがおわかりになると思います。
このとき、一番下になっている音 (ルート音) のアルファベットに、メジャー/マイナーをくっつければ、それがコード・ネームになります。具体的には、Cメジャー と Dマイナー ということになります。
この要領でほかのコードも見ていくと、次の 「ミ・ソ・シ」 はEマイナー、次の 「ファ・ラ・ド」 と 「ソ・シ・レ」 はF・Gメジャー、その次の 「ラ・ド・ミ」 はAマイナーだということがわかります。で、最後にB (シ) から始まるこのコードですが、実はこれが特殊で、数を数えてみればわかりますが、これは 「3 - 3」 となっていて、どちらにも当てはまりません。ということで、イキナリ例外を登場させて恐縮ですが、世の中にはメジャーにもマイナーにも属さないコードが存在するのがわかります。このコードについてはあとで登場するので、ここでは飛ばして先に進みます。
セブンスにも、メジャーとマイナーがある
では次に、コードの構成音をひとつ増やして4つにしてみます。ダイアトニック・コードのところでは触れなかったのですが、和音が4つになっても、例のダイアトニックの話は有効で、このように白鍵ひとつ飛ばしで4つ重ねた和音も白鍵だけでできているという理由で、Cメジャー・スケールの曲におけるダイアトニック・コードです。トライアドの場合と同じく、これもひとつの音階にこのように7つ存在します。
実演。 ※動画を参考にして下さい。
これに、さっきと同じようにコード・ネームをつけていくと、こうなります。
まず、ルート音から見て 「3 - 4」か 「4 - 3」 かという話は共通で、そのあと、4つ目のコードをどう重ねるかで名前が変わってきます。この4つ目の音のことを 白鍵で数えて7番目の音という意味で セブンス (=7度) と呼ぶ のですが、さっきと同様、セブンスには2種類あって、それぞれ メジャー・セブンス と マイナー・セブンス と呼ばれています。具体的には、3つ目の音 (白鍵で数えて5つ目 = 5度) から見て 半音4つ上の音が重なっていたらメジャー・セブンス、3つ目ならマイナー・セブンス ということになります。例えばこのコードは、Cメジャー (ドミソ) に白鍵のシが最後の音 (ソ) から見て4つ上に重なっているのでメジャー・セブンスということになり、コード・ネームは 「Cメジャー・セブンス」 となります。この 「メジャー」 はセブンスにかかる 「メジャー」 で、トライアドの方 (ド・ミ・ソ=Cメジャー) の 「メジャー」 は省略するのが決まりとなっているため、 「Cメジャー・メジャー・セブンス」 とはならないことに注意してください。同様に、セブンスの 「マイナー」 も省略することになっていて(ややこしいですが)、その結果、Cと言えば 「Cメジャー」 のこと、Cセブンスと言えば 「Cの、マイナー・セブンス」 のことを指すことになります。
ではセブンスのメジャー/マイナーの話がわかったところで、残りのダイアトニックを見ていきましょう。
実演。 ※動画を参考にして下さい。
さて、さっきと同じように、やっぱりBのところで詰まりますが、これはこの次の 「コードの名前 その2」 のところで解説するので、ここではスルーして下さい。
まとめ
以上、トライアドのコードの名前のつけ方と、それにもうひとつ音を加えたセブンス・コードの名前のつけ方について解説しましたが、これらのコードがわかれば、一般的なポップスの楽譜に載っているコードのうち9割以上がわかったことになります。残りの1割は、いわゆる 「ややこしいコード」 なので、はっきり言ってわからなければわからないで飛ばしてしまえばいい・・・というくらいの軽い気持ちでいても構わないと思います。何よりも、この基本である トライアド + セブンス を押さえることが重要 です。
それでは次は、その 「例外的なややこしいコード」 について解説します。