J100917418
J100917419
歌と、ピアノ / 十八番 (オハコ) はうまく歌えるようになる / キーが合っているか / ニッポンのアイドル歌手は、みんな歌が下手 / 絶対に必要な、コードの知識 / クラシック・ピアノ犯人説 / ピアノ難民ができるまで / バッハは偉大な即興演奏家 / ピアノの入り口がクラシックしかないのが問題 / では、その 「コード」 とは何か / だから、コードを勉強しよう
歌と、ピアノ
当たり前だけど、ピアノを弾き語るには、歌とピアノの練習が必要だ。このサイトでは主にピアノの演奏方法や知識について多く取り上げるから、残念ながら歌についてはあまり触れない。
ただし、ピアノの話よりも何よりも先に、僕が歌について自信を持って言えることは、「歌は下手でも、練習すれば、その曲はうまく歌えるようになる」 ということだ。つまり、「何を歌ってもうまい」 と言われるには生まれ持った才能が必要だけど、「特定の曲を上手に歌えるようになる」 のは誰にでも可能だということだ。
十八番 (オハコ) はうまく歌えるようになる
人前で歌を歌う機会といえば、何といってもカラオケ。そして、ほとんどの人が、自分がうまく歌える曲を持っている。なぜ十八番ができるかというと、理由はひとつ。何度も歌うから だ。うまく歌えるから何度も歌う、あるいは、何度も歌っているうちにうまくなる。順序はどっちでもいい。とにかく、数をこなすとうまく歌えるようになるということは、ピアノを弾き語るにあたって見逃せない事実だ。
キーが合っているか
それからもうひとつ、その曲がうまく歌えるようになるために絶対に必要なこと。それは 「曲のキーが、自分の声の高さに合っているかどうか」 だ。周知のとおり、カラオケではどの曲もキー (=曲の調) を自由に変えられる。そして、歌う本人が 「原曲からどのくらいキーを下げたら/上げたら一番うまく歌えるか」 を事前にわかっていることが多い。
たとえば、男性の場合なら 「ミスチルは高いからマイナス2」 といった風に。
これも、ピアノを弾き語る上でとても重要なことだ。ここで公開している動画の中にも、原曲のキーではないキーで歌っている曲がいくつもある。無理をして原曲のキーで歌う必要なんて全然ない。
ニッポンのアイドル歌手は、みんな歌が下手
アイドル歌手って何? という話は横に置いておいてもらって、とにかくテレビで歌を歌っている人たちのほとんどは、本当は大して歌がうまくない。さっき書いたように、彼/彼女らは、自分の曲があるから、それをひたすら歌っているうちに何とかテレビで見れるくらいに歌えるようになるのだ。だから、安心してください。練習すれば、誰でも人前で歌えるようになります。
(歌のことはここまでにして)
絶対に必要な、コードの知識
いきなり敷居を高くするように聞こえるかもしれないけど、ひとつ暴論をふるってみたい。
クラシック・ピアノ犯人説
ズバリ何が悪いって、クラシック・ピアノが悪い。
誤解のないように先に補足しておくと、僕は16歳頃まで、いわゆる 「ピアノの先生」 のところに通っていた。ちゃんと覚えていないけど、少なくとも3人のピアノの先生に習ったことがある。僕は先生たちをみんな好きだったし、いい先生だったし、おかげでピアノをそれなりに弾くことができるようになった。それに、教え方のどこが悪かった、なんて偉そうなことは口が裂けても言えない。でも、もっと早くにコードを教えてくれたらよかったのに、と思ったことは何度もある。
それは、別に先生たちが悪いわけではなくて、システム的、あるいは慣習的なもののせいだと思う。あるいはクラシック的思考のせい。とにかく、 「楽譜に書いてある通りに弾くのがクラシック・ピアノ = 楽器演奏のすべて = 音楽のすべて」 というマインドコントロールが、音楽という自由な世界への門を狭くしてしまっているのは否定できない事実だと思う。
ピアノ難民ができるまで
こういうことだと僕は思う。
- → ある程度ピアノを弾けるようになると、楽譜通りに弾くことが退屈になる。
- → でも、楽譜がないと何も弾けない。
- → だから、暗譜をしてみようと思う。
- → でも、暗譜するのはやっぱり大変だということに気づく。
- → 結局、楽譜がないと何も弾けない。
- → ある日どこかでばったりピアノに出会っても、その場で弾ける曲がひとつもないことに唖然とする。
- → ギターをやってる人があちこちでギターを抱えて自分の持ち曲を披露するのがうらやましくなる。
- → ああ、自分も楽譜さえあればピアノが弾けるのにな・・・と心の中でつぶやく。
- → でも、今すぐ何か弾いてよって言われると困る。
- → 「いやあ、発表会以外で暗譜したことないから・・・」 なんてはにかみ笑いして誤魔化す。
- → このようにしてピアノを弾かなくなり、ピアノ難民になる。
だから、僕はクラシック・ピアノを習った人には、コードの勉強をして、このクラシックピアノの 「音楽 = 楽譜」 という呪縛から解き放たれて欲しい。その手ほどきを、このサイトで少しでもできたらいいなと思う。
バッハは偉大な即興演奏家
キース・ジャレットが言った。
「バッハは偉大なインプロヴァイザー(即興演奏家)であり、ぼくたちに残されているのは、彼の書いた楽譜だけだ」
僕はジャズについてはほとんど無知だし、クラシックについても恥ずかしいくらい何も知らない。でもひとつ確信しているのは、「楽譜というのはひとつの音楽のカタチでしかない」 ということだ。キース・ジャレットが言わんとしたのもそういうことなんじゃないかと思っている。楽譜なんてものは、音楽を後世に伝えていくためにやむなく発明された、ただの言語なんだ、と。
ピアノの入り口がクラシックしかないのが問題
(話を少し戻して)
僕に誰もコードを教えてくれなかったことや、みんなが大人になってピアノを弾かなくなることを、全部クラシックピアノ教室や先生たちのせいにするつもりはない。上に書いたように、これはシステム、慣習、歴史、伝統、そういうものが、ピアノという楽器への入り口を 「クラシック」 に絞ってきたのが悪いのだ。ピアノへのアプローチは、本当はもっとたくさんある。
例えばエレクトーン。僕はエレクトーンを習ったことがないので、エレクトーンについてよく知らない。でも、エレクトーンを習うとコードの知識が身につき、それによって「音楽っていうのは自由なものなんだ」という意識が芽生えることは確かだ。だから今、エレクトーンという楽器が衰退の一途をたどっているのが、僕は残念でならない。
では、その 「コード」 とは何か
C、Dm (ディー・マイナー)、G7 (ジー・セブンス) ・・・ ギターをやれば嫌でも覚えるコード・ネーム = 和音。その和音が連なって曲ができるわけだけど、その和音の構成+和音の連なりの全体的な概念のことを (僕は漠然と) コードと呼んでいる。
「コード=和声の表記法」 という説明ではピンとこないので、こういう説明で取りあえず収めておいて下さい。
では、そのコードを勉強するとどういうメリットがあるかをいくつか列挙してみると、こうなる。
楽譜通りには弾けない難しい曲を簡単に弾くことができる = [ はしょることを覚える ]
コードだけのギター譜でもピアノを弾けるようになる=[ コードで何でも弾けるようになる ]
曲を聴いて楽譜を自分で作るのが簡単になる = [ コピー(採譜)のスキルアップ ]
歌のキーが合わないときに キーを変えた楽譜を作ることができる = [ 移調なんてお手の物 ]
だから、コードを勉強しよう
僕はここでひとりでも多くの人に、新しいピアノ演奏へのアプローチを紹介したい。そして、ひとりでも多くの人に、新しい音楽へのアプローチにトライしてもらいたい。そのために、できるだけたくさんの動画を用意していくつもりです。
コードについてまったく知識がない人は、まずはこちらからどうぞ。 [ 基本は白鍵 ]
コードについて少し知識のある人は、こちらからどうぞ。 [ 伴奏の作り方1 ~左手~ ]
このほか、各ページ一番上の動画リスト の 【その他】 には、全般的なコードの知識や演奏方法について解説した動画へのリンクがありますので、そちらもぜひご覧下さい。